競売における別除権の消滅時期

別除権目的物の競売手続が進んだ場合、別除権者はどの時点で配当に加わることができるのでしょうか。

競売手続における代金納付(A)

破産手続上の配当除斥期間満了(B)
競売手続における配当・弁済金交付 (C)
というケースで考えてみます。

競売手続上、不動産上の抵当権等は、売却によって消滅するとされています(消除主義。民事執行法59条1項)。そして、これは代金納付の効果とされており、代金が納付されると、抵当権設定登記が職権で抹消されます(同法82条1項)。

とすると、買受人による代金納付の時点(A)で、「担保権によって担保される債権…が…担保権によって担保されないことになった」(破産法198条3項)と考えられなくもありません。
他方、競売手続上の配当等(C)に至らないと、不足額は確定しません。

結局、競売手続中は、Aを経由してもいまだ配当・弁済金を受けることができるという意味で、いまだ「担保権によって担保されなくなった」ということはできず、Cの時点でようやく不足額が確定することになると考えられます。

つまり、上記のケースでは、Bの時点ではいまだ別除権付破産債権のままですので、不足額責任主義によって、配当には加われないということになりそうです。

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