現行破産法81条1項は、郵便物の転送を任意化していますが、裁判所は例外なく転送嘱託をすることが通例です。
もっとも、破産裁判所や破産管財人からの郵便物は、転送対象から除外されています(「新版破産管財手続の運用と書式」402頁、「条解破産法」611頁)。
破産裁判所が破産者本人宛に書類を送付・送達することがありますが(破産法32条3項1号、136条1項など)、それが破産管財人に届いてしまうことがあります。これは、上記の除外にもかかわらず間違って転送されたものです。
破産者に代理人が就いていれば代理人に送付等されるのでこのような事象が発生することは少ないのですが、純粋な本人申立てや、債権者申立ての場合に起こりやすいといえるでしょう。
誤った転送がなされた場合、管財人は、送付等をやり直してもらうため、担当書記官に速やかに連絡する必要があります。
また、家族宛の郵便物が誤って管財人に転送されてくる場合もあります。
この場合は、郵便局に連絡し、間違った転送なので家族に配達するように伝え、郵便物を引き渡します。