初めての法人破産申立(19)

法人破産の申立代理人は会社の債権者に受任通知を出すべきでしょうか。
この点、パネラーの先生から法人破産の場合は個人の自己破産とは異なり、受任通知を出すことはデメリットが大きいので原則として出すべきではないとの話がありました。
法人破産の取引先等の一般債権者は、個人破産における貸金業者とは異なり、受任通知が来たからといって取立を停止する義務を負っていない、むしろ破産手続の準備に入ったことを開示することで取立に入ったり、担保権の実行を促したり、租税官庁からの滞納処分がなされたりして、現場が混乱することになり、かえって破産申立の準備に支障が生じる等の理由が指摘されていました。
受任通知については新宅さんが以前「破産申立の時期と受任通知」で記載したとおり事案に応じて考えるべきですが、1つの見解として参考にしていただければと思います。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

タイトルとURLをコピーしました