破産者が外国人の場合の不動産の任意売却と住所変更

不動産を任意売却するに際し、所有者である破産者のについて、登記簿上の住所と現在の住所が異なっている場合、住民票(の除票)の写しや戸籍謄本の附票でつながりを示した上で、住所変更登記をしなければなりません。

外国人の場合、従来は外国人登録原票の写しをもって住所の連続性を証明していました。
しかし、平成24年7月から、外国人登録制度は廃止されるとともに、外国人についても住民基本台帳の適用対象となり、住民票が作成されることとなりました。

今後は、外国人についても、住所変更登記の際の添付資料として、住民票やその除票の写しで足ることとなります。

しかし、登記簿上の住所が外国人登録制度時代のものであった場合、住民票だけからは住所の変遷を辿ることができません。

この場合、法務省が回収・管理している外国人登録原票の写しを入手する必要があります。

その方法としては、

  1. 破産者本人が法務省に対して外国人登録原票の開示請求を行う
  2. 破産管財人が東京出入国管理局に対して弁護士法23条照会を行う

の2つがあります。
1.の方が費用としては安上がりですが、法務省のウェブサイトによると、取得まで1か月程度かかるとされています。
これに対し、2.の方法であれば、2週間程度で入手できています。

破産管財人自身で手続を行えることを併せて考えると、2.の方法によることが多いでしょう。

いずれの方法をとるにせよ、相当程度の時間を要しますので、売却が可能となった場合には、早めに住所変更登記が必要かを確認し、必要に応じて回収された外国人登録原票の写しを所得しておくことが肝要です。

タイトルとURLをコピーしました