最判平成25年7月18日
判時2201号48頁
NBL1021号70頁
金法1989号130頁
「民訴法260条2項の裁判を求める申立ての相手方が破産手続開始決定を受けた場合、上記申立てに係る請求権は、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権であって、財団債権に該当しない。したがって、上記申立てに係る請求権は、破産債権というべきである。そうすると、…上告人は、被上告人の破産手続において、本件申立てに係る請求権につき破産債権として届出…をしていないにもかかわらず、直ちに破産管財人に対して本件続行命令をしたものであって、本件続行命令のうち本件申立人係る部分は、違法であるというべきである。」
「本案請求と民訴法260条2項の裁判を求める申立てに係る請求とが併合審理されている場合、上記申立ては、本案判決が変更されないことを解除条件とするものであり、その性質上、本案請求に係る弁論は分離することができない。したがって、上記申立てについての適法な受継がなされないまま、本案請求にかかる部分についてのみ、当事者が受継の申立てをし、又は受訴裁判所が続行命令をすることは許されない。そうすると、本件続行命令は、結局、その全部が違法といわざるを得ない。」
「しかしながら、被上告人の破産手続は既に終了しているものであって、上告人が経るべき破産法所定の手続はもはや存在しない。そして…本件続行命令がされてから上記破産手続の終結までにA(註:破産管財人)が当事者として関与した訴訟手続は、上告人の控訴を棄却する旨の原判決の送達を受けたことなどにとどまる。したがって、上記破産手続の終結により、原審の上記違法の瑕疵は治癒されたものと解するのが相当である。」