公租公課の弁済時期と延滞税等の減免

公租公課は、財団債権と優先的破産債権に分かれます。
(厳密には劣後的破産債権もありますが、配当可能となることはほとんどないので、ここでは無視します。)。

これらの公租公課は、いつ弁済・配当することとなるでしょうか。

財団債権は適宜の時期に弁済すればいいのですが、通常は換価終了後に行うことが多いでしょう。事件の進行によっては、維持廃止後に財団債権を按分弁済することもあります。

これに対して、優先的破産債権は、他の破産債権と同じく配当の対象となります。

しかし、大阪地裁では、優先的破産債権について裁判所の許可を得て財団債権化し、弁済するという運用が行われています(和解許可方式)。
この場合の弁済時期は、財団債権と同じになります。
ただし、弁済は維持廃止後でも可能ですが、和解許可自体は廃止前に行う必要があるとされています。

和解許可方式には、2つの局面でメリットがあります。

1つめは、優先的破産債権の一部までは配当が可能であるけれども、一般破産債権までは配当が及ばない場合です。
このような場合に配当手続を行おうとすると、配当がない一般破産債権者にも債権届を促すこととなり、不経済です。
和解許可方式では、これを回避することができます。

2つめは、財団債権・優先的破産債権の両方の延滞税や延滞金について減免申請を行う場合です。
減免申請には、本税を支払う財団が形成された場合の減免(国税通則法63条6項4号同法施行令26条の2第1項地方税法20条の9の5第2項3号同法施行令6条の20の3)と、やむを得ない事由による減免(地方税法64条3項326条3項369条2項等)とがあります。
特に前者について、財団債権部分を弁済するだけでは減免を認めず、優先的破産債権部分まで配当して初めて減免に応じるとする公租公課庁が多いようです。
和解許可によって、優先的破産債権部分を財団債権と同時に弁済することで、この点をクリアすることが容易になります。

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