法人破産申立の受任通知について、私自身は出している場合が多いですが、事案としては営業を停止しているケースが圧倒的に多いです。
この場合は既に債権者からの督促や連絡が代表者や会社関係者に行っていることが通常であり、申立代理人からの受任通知でそれを止めることを期待していることが通常です。
確かに、個人破産で受任通知を送れば貸金業者の取立が禁止されますが、法人破産における受任通知で取引先等の債権者の取立が禁止されるわけではありません。
しかし、実際に代理人弁護士が受任通知を送付して、連絡をしないように記載すると取立が止まることが多いのも事実です。代表者がこのことを期待してるのであれば、それに応えて受任通知を送ることは当然に考えて良いことです。
もっとも、パネルディスカッションでは受任時点では営業を継続していることが事案の前提でしたので、この辺の前提事実の違いが考え方に影響していることはあるいと思います。
私も、法人破産で受任通知を出さないで申し立てた経験はありますが、その際に考慮したことは受任通知を出すことで逆に混乱が生じるということでした。
(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。