一問一答

全倒ネットのMLでも話題になり、当ブログでも3月9日の記事で新宅さんが書いていましたが、一部の裁判官には安易な同時廃止、免責はモラルハザードをまねくと言うことで、個人再生を選択するように指示されることがあります。私も過去に経験したことがあります。
私はこれを「個人再生前置主義」と呼んでいるのですが、これが、これが誤りであることは、新宅さんが既に述べたとおりです。
債務者が破産手続を選択するのか、個人再生を選択するのかは、いずれの要件も充たす限りは債務者(及び代理人)の自由な選択に委ねられています。これは立法担当者が書かれている「一問一答個人再生手続」にも記載されています。
ところで、新しい法律ができると大体立法担当者が当該法律を解説した「一問一答」シリーズが出版されます。このような本は新法が成立・施行して間もない時期は購入するモチベーションがありますが、時期を逸してしまうと、売り切れてしまったり他に当該法律を解説した本(Q&Aやマニュアル類を含む)が、いくつも出てきますので、敢えて購入しない方も多いと思います。
しかし、未知の問題に遭遇したときに当該法律の立法担当者の意見がとても参考になることが少なくありません。加えて、一問一答を執筆している立法担当者は裁判官であることが多いことから、裁判所を説得する際に大きな力となります。
逆に立法担当者の意見に明確に反する見解は実務上はとりにくいでしょう。
倒産法関係で言えば一問一答は「新しい破産法」「民事再生法」「個人再生手続」「新会社更生法」「逐条解説新しい特別清算」が商事法務から出版されています。
これらの本は手元に置いておき、疑問が生じた場合は常に参照できるようにしておくと良いでしょう。ちなみに私は、未知の問題を調べる場合は大体①一問一答②条解やコンメンタール類③弁護士が書いたQAやマニュアル類④学者の先生の本という順番で調べています。

私は(倒産法以外で)普段はまず扱わないと思われる法律でも一問一答シリーズは購入するようにしています。

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